銀行が喜ぶ事業計画書作成のコツ2
銀行融資を引き出す方法として決算書等の過去の数字が芳しくなければ、将来の展望・数字を示す事業計画書で挽回するしかありません。ところが、銀行からの要求により、仕方なしに作成した事業計画書(税理士に作成を丸投げしたもの)では融資を引き出すことはできません。
事業計画書は本来、銀行提出用に作成するのではなく、経営者自身が自社を今後どのように運営するのかという将来性を明確にするために作成するものです。
したがって、銀行は事業計画書を通して経営者自身の熱意を測っているのです。
事業計画書を作成していない会社=将来の展望を持ってない会社と判断されてしまうのです。
まずは、将来のビジョンを明確にし、損益計算書を根拠に実現可能(しかし重要なのは多少希望的観測であっても利益獲得可能数字を!) な数字を入れて作成しましょう。
他のコラムでもご紹介しましたが、銀行提出用にとどまらず、自社の将来戦略の羅針盤としても必須書類ですので下記の内容に沿って作成していきましょう。
1.事業の現状(外部環境・内部環境を構成する要素)
2.SWOT分析の展開(自社の強み、弱み、外部的機会、脅威)
3.今後の事業目標
4.目標損益計画書、目標貸借対照表、売上構造、人員計画表、マーケティング費用計画
5.売上・資金計画(商品別・顧客別)
6.今後の課題(競合、品質、価格面)
7.借入希望額(資金使途)
上記の事業計画書(文章中心)と合わせて以下の書類をご用意ください。
①事業計画書(月次一年分、年次5年分)
②資金繰り実績・計画表
③金融機関別取引推移表
④借入明細表
⑤資産状況一覧表
⑥仕入先・販売先概況表
※事業計画書・業務改善計画書6点セット
銀行が事業計画書で真っ先に見るのが「売上高」です。
将来の会社を展望するにあたり、 売上が立っているかは銀行にとって最大の関心ごとです。
では、どういうふうに根拠を説明すればいいのでしょうか?
それは、事業計画書の数字を文書で補足して、銀行がイメージできるように記載してください。
例えば、
・販売を強化します。
(営業2名を補充⇒6ヶ月後に効果が出るよう支援)
・新商品を投入します。
(得意先からの要望で商品開発したので、その得意先中心に前年比1.2倍達成)
次に見るのが原価削減努力姿勢です。
こちらも数字と文書で具体的に記載します。
例えば、
仕入れコストを見直します。
(大量仕入れ・1カ月から3カ月単位に仕入れ時期を集中させる)
仕入れ先を変更します。
(単価の低い仕入れ先を営業努力で発見、現在仕入れ先から品質を保持しつつ、徐々に変更)
等のように具体的に明示することがポイントです。
いずれにしても経営者自身が、数字で将来のビジョンが語れるように準備してください。
過去はどうあれ、信憑性ある将来ビジョンをいかに説得力ある数字と経営者自身の言葉と 書類で示せるかが、資金調達成功の秘訣です。